限りなく仲が良い、トモダチ(後編)
『うーん……』
あーでもない、こーでもない
『どーすればいーんだろー?』
……何がだ?
『あ! マスターお帰りなさい! あのね欲しい物があるの!』
……油揚げか?
『欲しいけど、それじゃない』
……いなり寿司か?
『そーじゃなくて。』
……あぁ、わかった。 赤い鳥居だな?
『お稲荷さんから離れてよ。 そーじゃなくて……』
携帯電話だと? 持ったところでかける相手がいないだろうに。
『いるもん! ルカがかけてくれるもん!』
……ルクレツィアは持っているのか?
『持ってないよ。 でも、買うんだって』
……で、お前も欲しいのか?
『うん!』
『 ! 』
ルクレツィアが買ったのなら見せにくるだろう。 それから、考えても遅くあるまい。 それにせっかく買うのなら、お揃いの方がお前も嬉しいだろう?
『 ・・・ 』
この話は、これで終わりだ。 続きはルクレツィアが持ってきてからだ、ルージュ。 |