優しい嘘

- 日を嫌うあのヒトだから -

 

月に照らされた慣れた道を散歩する。

少しは同じ刻を歩んでいる気がするから。

 

- 決して縮まらなくても -

 

月に照らされた慣れた道を散歩する。

少しは同じ刻を歩んでいる気がするから。

 

時折吹き付ける風は冷たく肌を刺す。

暖めてくれるのはあなたのコート。

 

- この頃の夜散歩は、寒いです -

それでも、散歩を続ける理由。

それはたぶん…

 

 

 

そう、たぶん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寂しかったから。

 

同じ時を歩めることはないけれど、

 

少しでも長く側に居たかったから。

 

 

 

 

 

そう…こんな風にあなたに頭を預けて、

こんな風に手を抱きしめて…

 

ふふっ……なんだか久しぶりに…軽く……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで寝不足?

まったく、あんたは……

 

 

 

寝不足でふらふらのあんたじゃ、

からかってもおもろないし。

 

 

 

それに、面白くないし。

 

 

 

 

 

でもま、

今日はゆっくりお休み、ルカやん。

 

甘い夢と共に。

 

 

 

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