むかしむかし、

赤いずきんを被った女の子がいました。

とてもお気に入りでいつもその赤いずきんを被っているので、

みんなは赤ずきんちゃんと呼んでいました。

そんなある日、

その赤いずきんを作ってくれたおばあさんが、

病気で寝込んでしまいました。

そこで、

赤ずきんちゃんはお見舞いに行くことになりました。

ルーカちゃん♪

絢花が風邪で寝込んでるって知ってる？

え！？

ほ、本当ですか？

でさー、

やっぱり病気のときは女の子に看病してもらいたいじゃん？

だもんで、

代わりにお見舞い行ってくれるかな？

ついでに薬も持って。

お姉様付きのお医者様がいらっしゃるのでは？

だ・か・ら、

常備薬を持っていって欲しいの♪

毎回毎回医者にかかったら不経済でしょ？

君も一人暮らしを考えているんなら、

金持ち感覚を改善しなきゃダメだよ♪

それじゃ、絢花によろしく言っといてねー。

寄り道しちゃダメだよー♪

わかりましたー。

もう、私をいくつだと思っているんですかー（笑）

お姉様にはGWに会ったっきりでしたわ。

お見舞いということは……、

お姉様の寝顔をじっくり拝見できるのね！？

・・・もしもし、そこの…

下っ端海賊巻きバンダナのお嬢さん？

赤ずきんです！

「赤ずきんちゃん、そんなに急いでどこ行くの？」

と、

狼さんに話しかけられました。

赤ずきんちゃんは狼さんに、

「病気のおばあさんのお見舞いに行くの」

と、答えました。

ふーん、お見舞いねぇ。

先刻の独り言はかなり邪な感情が全面に出とったけど、

それ以外にも突っ込みどころ満載やねんけど…

まぁひどい。

姉を心配する妹を邪だなんて。

…できれば全て無視の方向でお願いいたします。

お見舞いと聞いた狼さんは、

赤ずきんちゃんに綺麗なお花畑を教えてあげました。

あまりに綺麗なお花畑だったので、

赤ずきんちゃんはお母さんと約束したはずの、

寄り道をしてしまいました。