昨日の日常、今日の現実 後編

(ぱちっ、と目を覚ます)

 

 

…だいじょぶ?

 

 

 

 

あー…あー!

 

シードー!

気が付いたみたいー!

 

おや、そうですか。

ごくろうさま、エアリス。

 

うん。じゃ、

 

…エアリス、ちょっと。

 

何?

 

先程から思っていたのですが、

なんでそんなに冷めているんです?

 

変なシド。

私は探してる最中だもん、ルーユエを。

 

あー、なるほど。

 

エアリスにとって、

『如月』は『猫』でしたからねぇ。

大変なことになりました。

 

!?

あー??

 

 

本当にドコ行っちゃったんだろ…。

ルーユエ。

 

あーあー!!

ふむ。

困りましたねぇ、『如月』君。

エアリスに任そうと思ったのですが、

君も他の部下達と同じ扱いを受けてしまいましたね。

 

?? うー?

 

エアリスは、

リーラ以外がどうなろうと知っちゃこっちゃないんです。

むしろ、

リーラ以外は自分にとって敵か物体かの判断しかしないんですよ。

判りますか?

 

…うー?

 

『敵』ならば潰せば良い。

『物体』ならば状況に応じて対応すれば良い。

それこそ、避けるか潰すか気分次第。

エアリスは極端な程ドライな思考の持ち主なんですよ。

『猫』のルーユエは、

そんな彼女が初めて自分から進んで助けた他者。

これには流石にリーラも驚きましたね。

ですが、

床で気絶していた『獣人』の如月を、

完全に無視して『猫』のルーユエを探しに行こうとした。

完全に無視して、ね。

君がエアリスの傍に戻るには相当な努力が必要だという事です。

判りますか?

 

あー…。

 

…まずは言語から勉強しないといけませんね。

 

 

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